今回は難しい相場でも結局これ見とけばよかったというところでお送りしたいと思います。今回はテクニカル基礎についてのお話になります。最近の相場を見ていると、業績が良いのに株価が下がっていたり、業績がそれほど良くないのに株価が上がっているということをよく見るのではないでしょうか。例えば、アドバンテストや日本郵船、三菱ケミカル、野村ホールディングスなどがその例です。これらの企業の株価が最近急上昇していますが、業績がその動きを完全に説明するわけではありません。

株価というものは長期的にはファンダメンタルズや業績に従って動くとされていますが、短期的には気分的な要素や需給の影響が大きいものです。企業業績が出たからといって株価がその通りに動くわけではなく、株価は市場参加者の売買によって決まります。したがって、業績はあくまで参考値に過ぎません。短期的な株価の動きを見極めるためには、ファンダメンタルズよりもテクニカル指標やチャート分析が有効です。

テクニカル指標を使ったトレンドの見極め方について、移動平均線を用いたトレンド定義が一番わかりやすい方法の一つです。移動平均線には短期、中期、長期、超長期の4種類があり、これらが上から順番に短期、中期、長期、超長期と並んでいる状態で、株価が短期移動平均線よりも上にある場合、これは完全な上昇トレンド、いわゆる「パーフェクトオーダー」と呼ばれる状態です。

逆に、移動平均線が長期、中期、短期の順番で並び、株価が一番下にある場合は下落トレンド中ということになります。現在の相場でも、上昇トレンドの銘柄は上がり続け、下落トレンドの銘柄は下がり続ける動きが見られます。これらのトレンドを形成する理由は様々で、配当取りのために買われたり、割安だから買われたり、今後の業績回復を期待して買われたりといったものです。

テクニカル指標を使ったトレンドの見極め方を活用することで、短期的な需給の動きを捉えやすくなります。例えば、上昇トレンドの銘柄であれば、業績が良くなくても買うことができ、下落トレンドの銘柄であれば、業績が良くても買わないという判断ができるようになります。ただし、テクニカル指標をメインにするのはお勧めしません。短期的なお小遣い稼ぎとしてテクニカル指標を使うのはありですが、長期的な投資には適していません。

テクニカル指標の賞味期限は1週間程度とされています。テクニカル指標で示唆されるものは1週間程度で変わることが多いため、日々の相場解説でも毎回言っていることが変わる可能性があります。テクニカル分析はあくまで短期的な動きを見極めるためのツールとして活用するのが良いでしょう。

実際に直近の相場を見て、上昇トレンド銘柄と下落トレンド銘柄のパフォーマンスを比較してみます。トレーディングビューのスクリーニング機能を活用して、移動平均線が短期、中期、長期の順番に並んでいる上昇トレンド銘柄を抜き出すことができます。この方法で上昇トレンド銘柄と下落トレンド銘柄を抜き出してみると、上昇トレンド銘柄は平均して1.94%から3.28%上昇しており、下落トレンド銘柄は平均して0.62%から2.00%下落していることが確認できました。

また、上昇トレンド銘柄の94%が1週間で上昇しており、下落トレンド銘柄の9%しか上昇していないことも分かりました。トレンドによってパフォーマンスが大きく変わることがデータからも明らかです。

上昇トレンド銘柄と下落トレンド銘柄の配当利回りやPER、PBRの平均値も比較すると、上昇トレンド銘柄の方が割安であり、配当利回りも高いことが分かります。テクニカル分析を活用することで、短期的な需給の動きを見極めやすくなりますが、長期的な投資には適していません。長期的な投資をする場合は、テクニカル分析を仕込むポイントを見極めるためのツールとして活用すると良いでしょう。

例えば、今後伸びそうな銘柄を見つけた時に、それが下落トレンドの時には買わず、上昇トレンドに転じた時に買うという方法があります。また、上昇トレンドにある銘柄を見つけた時に、その業績を確認して中長期的な投資判断をすることもできます。テクニカル分析は色々な方法がありますが、今回は移動平均線を使ったトレンド判断を中心にお伝えしました。他にもローソク足や高値安値、出来高なども含めた分析方法があります。

関連する質問と回答

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1. テクニカル分析はどのように活用すれば良いですか?

テクニカル分析は短期的な需給の動きを見極めるために活用するのが一般的です。例えば、上昇トレンドにある銘柄を見つけた場合、その銘柄を短期的に保有して利益を得ることができます。また、長期的な投資をする場合でも、仕込むポイントを見極めるためにテクニカル分析を活用することができます。

2. テクニカル分析の賞味期限はどのくらいですか?

テクニカル分析の賞味期限は一般的に1週間程度とされています。テクニカル指標で示唆されるものは日々の相場変動によって変わるため、1週間程度で見方が変わることが多いです。そのため、テクニカル分析を行う際は、定期的に見直しを行うことが重要です。

3. テクニカル分析のメリットとデメリットは何ですか?

メリットとしては、短期的な需給の動きを捉えやすく、迅速な売買判断ができる点が挙げられます。また、長期的な投資を行う際にも仕込むポイントを見極めるためのツールとして活用できる点です。デメリットとしては、長期的な予測には向かず、頻繁に見直しが必要である点が挙げられます。

4. テクニカル分析とファンダメンタル分析の違いは何ですか?

テクニカル分析は株価や出来高などの市場データを基にして株価の動きを予測する方法です。主に短期的な需給の動きを捉えるために活用されます。一方、ファンダメンタル分析は企業の業績や財務状況、経済環境などの基本的な要因を基にして株価の動きを予測する方法です。主に長期的な投資判断に活用されます。

5. テクニカル指標の中で最も重要なものは何ですか?

テクニカル指標の中で最も重要なものは、移動平均線です。移動平均線は株価のトレンドを捉える

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